かき氷の魔法/藤井孝一

 「週末起業」の藤井さんが書かれた、寓話仕立ての「世界一短いサクセスストーリー」です。

 小学生が、お父さんに「出資」してもらって、夏休みにかき氷の販売と言う「起業」をする、と言う
設定で、夏休み中の営業を終えて、「出資者」のお父さんに、出資金とその配当を渡すところまで
を描いています。

 解説的なセクションを含めても、わずか80ページあまりで、30分もあれば充分読み切ってしまえ
る位の内容ですが、4P、3Cと言ったマーケティング戦略上の要素から、企業マネジメント的な
要素まで、企業経営に関する基本的な要素がコンパクトに詰め込まれていて、非常に読み応え
があります。

 そんな中でも、やっぱり起業をする上で一番重要なのは、出資者なり、従業員なり、顧客なり、
「信頼」を得ることだ、と説かれています。

 しかもそれぞれのステークホルダーに対して、どのようにすれば「信頼」を勝ち得ることが
できるのだ、ということもさりげなく書かれています。

 ビジネスパーソンが読んでも、それなりに示唆に富んだ内容になっていますが、やっぱりこれ
は、まだビジネスの世界に足を踏み入れていない、若い人に、是非とも読んでもらいたいな、
と思います。

 ちなみに、小学校3年生の娘に渡したら、面白い!って言って、1時間弱で一気に読んでました。