- 作者: 佐渡裕
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/08/28
- メディア: 文庫
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今北さんの本に、この本のことが紹介されていたので、手にとって見ました。
佐渡さんって、昔、名が売れ始めたときに、「バーンスタイン最後の弟子」
みたいな売り出しで、ちょっとシャレた感じのCMが流れてたりして、あんま
りいい印象が無かったのですが、数年前、NHKで、ジャズ・トランペッター
のウィントン・マルサリスを招聘した「ヤング・ピープルズ・コンサート」の
模様を中継しているのを見て、凄く印象が変わりました。
というのも、結構小さい子供まで、客席で楽器を持ってきていて、自由に
音を出していいよ、と言うコンサートで、音楽の楽しさを伝えよう、という
熱意をヒシヒシと感じたからです。
この自伝的な本でも、そういった「熱」を感じさせ、一気に読んでしまい
ました。
ご本人は、音楽が好きで突っ走っているうちに、その都度、小澤征爾や
レナード・バーンスタイン等々、「ひょんな」ことから気に入ってもらえて
今の自分がある、みたいな謙虚な物言いをされていますが、それに向けて
突き進む情熱に、そういったビッグネームの方たちも、ほだされたんじゃ
ないかな、と思います。
個人的には、ほとんどクラシックは聞かないんですが、佐渡さんの
「コンサートに、来てみぃひん?」っていう誘いに、ちょっと心が動かさ
れる、そんな本でした。