人はカネで9割動く/向谷匡史

 まあ、アラレもないタイトルなんですが、あんまりおカネで動くとかそう言う感じ
ではなくて、如何に同じ行動をするにせよ、その効果を高めるか、ということが全体
を通じてのテーマのように思えます。

 例えば、部下に同じ一万円をオゴるにしても、「これで一杯飲んでくれ」と言って
渡すと、ケチだと思われるのに対して、「これでお茶でも飲んでくれ」と言って渡す
と、太っ腹だと思われる、という事で、著者の向谷さんは「生き金」とおっしゃって
いますが、投資を効果的に回収できるカタチにするか、ということのヒントが満載
です。

 おカネに関わることだけではなくて、同じことをするにしても、こうすればより
感謝してもらえるとか、逆に逆恨みされてしまうとか、人々の心理の機微が
コワイくらいです。

 特に、個人的にイタい!と思ったのが、目の前の小銭をケチったがばかりに、
人間関係で優位を渡してしまうことが、ままあるということで、気を付けないと
いけないなあ、と思いました。