すべては戦略からはじまる―会社をよくする戦略思考のフレームワーク
- 作者: 西口貴憲
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/10/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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中小企業診断士の方が書かれた、企業の経営戦略に関する数々のフレームワークを、
ストーリー仕立てで紹介した本です。
著者の西口さんは、TOC理論をストーリー仕立てで描いた「ザ・ゲーム」に触発され
てこの本を書かれたそうで、経営戦略に関する理論をとっつきやすいものにしたかった、
ということです。
確かに、ストーリーに乗って、SWOT分析やら5フォースモデル、PPMと言った、中小
企業診断士の企業経営理論で出てくるトピックがほぼ漏れなく紹介されています。
ということで、理論の紹介自体で結構いっぱいいっぱいになっていて、あんまり
ストーリー仕立てっていう感じがしません。
しかも、親会社から送られてきた若手が、中小企業とはいえ、経営戦略をスクラッチ
で立てて、しかも組織改変まで行ってしまうということで、かなりリアリティを無視
した感じで、その辺りも今日を削がれてしまいます。
アイデアはいいと思うのですが、経営戦略をこれから学ぼうと言う人には、ちょっと
ヘビーだと思いますし、それなりに経営戦略を学んできた人には、ちょっと稚拙な感じ
がして、どっちつかずになっているかな、と言う気がします。
まあ、中小企業診断士の受験生が生き抜きがてらに復習するにはいい本なのかな、と
思います。