名将への挑戦状/ヘスス・スアレス+小宮良之

名将への挑戦状 ?世界のサッカー監督論?

名将への挑戦状 ?世界のサッカー監督論?

 ワールドサッカーダイジェストでスペインサッカーについて辛口の連載をされている
方の監督論です。

 この方は、「スペクタクル論者」として有名で、ワールドサッカーダイジェスト
連載でも、攻撃的なサッカーを繰り広げる監督を賞賛する一方、守備的なサッカーを
辛辣なまでに非難されています。

 この本でも、名だたる監督を一刀両断されているわけですが、当時、全世紀だった
バルセロナグアルディオラ監督を称賛する一方、ライバルであるレアルマドリード
モウリーニョ監督を、「フットボールを破壊する」と非難されています。

 その他、ACミランユベントスイングランド代表等の監督を歴任したカペッロ監督
を「匹夫」とまで読んで、口を極めて酷評する一方、アヤックスバルセロナで監督を
勤めたファンハール監督、アルゼンチン代表、チリ代表、ビルバオで監督を務めた
ビエルサ監督を、その人格に苦言を呈しながらも、その攻撃的なサッカーを徹底する
姿勢にシンパシーを表明されています。

 取り上げられている監督の中で、スアレスさんがどういう評価をされるのかに一番
興味があったのが、アーセナルベンゲル監督です。

 近年、アーセナルがタイトルから遠ざかっていることから、評価が別れているベンゲル
監督ですが、スアレスさんは、勝てないことがなんだ!魅力的なサッカーをする選手を
多く育てていることで十分じゃないか!みたいなニュアンスのことをおっしゃられていて、
妙に納得してしまいました。

 このスアレスさん、フットボールのエンターテイメント性というものを最重要視されて
いるんだなあ、と納得しました。