(日本人)/橘玲

(日本人)

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 『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門』の橘さんの
本を久々に手にとってみました。

 『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 ― 知的人生設計入門』でも、
パーペチュアル・トラベラーという雲をつかむような現実感のない概念について、
圧倒的な論理展開と傍証で、信じざるを得ないような説得力をもって迫ってきたの
ですが、この本でも、正直、最後のユートピアに至る思想的な系統については、
非常に難解で、ちゃんと理解できているとは言えないのですが、
マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで (幻冬舎新書)』を
読んだ時にも触れましたが、何か得体の知れない興奮を感じました。

 この本は、言ってみれば日本人論と文明論といった感じの内容なのですが、東日本
大震災以来妙に賛美される日本人の精神性について、特殊論が語られがちなのですが、
それを生物学的というか、人類学的というか、地政学的というか、ちゃんと既存の
理論で説明できるということを示した上で、しかし我々自身も信じられないような、
日本人一般の精神構造について展開されています。

 そこから、人間が豊かになる上で必然であった分業制の展開に伴う経済のグロー
バル化の課程について語られた上で、日本がそれに、どう対峙してきたかを紹介さ
れています。

 こういう外形的な話をしても、ワタクシの訳の分からない興奮は説明できないの
ですが、その後のネオリベラリズムソーシャルメディアとかの絡みを交えて、
日本人がユートピアへ導かれる可能性について語られているのですが、この辺は、
ちょっと難解で、ワタクシ自身もあまり理解できていません。

 いやー、今年はこういう価値観を揺さぶられるような本に多く出会えて、読書
的には、ワタクシにとって当たり年ですね!!!