始める力/石田淳

始める力 (幻冬舎新書)

始める力 (幻冬舎新書)

 行動科学マネジメントをベースに『「続ける」技術』『すごい「実行力」 (知的生きかた文庫)
等の好著を連発されている石田さんの最新刊です。

 行動科学マネジメントは、「始める」ことにも役に立つんだよ、と
いうことで、「始める」部分にフォーカスされた内容になっていますが、
既刊の本でかなりそのあたりの話もされているので、読まれている方は、
第四章だけをしっかり読めばいいのかな、と思います。

 要は、既刊の本は、「続ける」と言う側面から行動科学マネジメント
を語られた本で、今回の本は、「始める」という観点から語られたもの
なので、切り口は変わっていますが、まあ、いいたいことのキモは、
あんまり変わっていないんですね。

 特に、始めるにあたって、我々が犯しやすい典型的な失敗の原因は、
ハードルを上げ過ぎてしまいやすい、ということです。

 最初に張り切って取り組んでしまうと、ダイエットのリバウンド
じゃないですが、ちょっと冷静になるとしんどくなって、敬遠したく
なりがちなようですが、こんなんでいいの?というくらい、少しずつ
少しずつやった方が継続が容易で、結果は出やすいといいます。

 また、印象的だったのが、成果をフローで捉えるんじゃなくて、
累積量でとらえろ、ということで、それだけの蓄積量があるんだと
認識することが、途中でやめるリスクが下がるようです。

 と言うことで、他にも、スムーズに始めるためのヒントが満載で、
なかなか最初の一歩が踏み出せない人には、是非手に取って欲しい本
ですね。