風間塾/風間八宏

 現在、川崎フロンターレの監督をされている風間さんの著書です。

 現役の時代から、独自のサッカー観で知られる風間さんですが、大事にされて
いる考え方が、「非常識」でいることなんだそうです。

 何故かというと、「非常識」であることは、周辺が信じている「常識」とは
一線を画しているということで、「独自性」を持っているということであり、
そのことが新たな強みにつながる可能性があるから、ということです。

 80年代後半から90年代後半にかけては、サッカー選手のアスリートとしての
能力ばかりが重視されて、テクニシャンが軽視される傾向があったのですが、
そんな中で、フィジカルに劣っていても、しっかりとしたテクニックを持った
プレーヤーを重視するという「非常識」を貫いたからこそ、近年のバルセロナ
の成功があるんだ、という例を挙げられています。

 割と、内容がプレーヤーの感覚に関する内容が多いので、プレー経験の無い
ワタクシにとっては、何が「非常識」なのかは分かりにくいところもあるの
ですが、選手育成やプレーの環境などサッカーを取り巻く環境についての
「非常識」ながら可能性を感じさせることを語られています。

 まあ、「風間塾」というと大仰に感じますが、風間さんの独自のサッカー観
を垣間見れるエッセイという感じで、解説者時代の風間さんのファンだった
ワタクシにとっては楽しめました。