そろそろ、世界のフツーを始めませんか/今北純一×船川淳志

そろそろ、世界のフツーをはじめませんか―いま日本人に必要な「個で戦う力」

そろそろ、世界のフツーをはじめませんか―いま日本人に必要な「個で戦う力」

先日、『英語が社内公用語になっても怖くない グローバルイングリッシュ宣言! (講談社+α新書)
を紹介した船川さんと、グローバルビジネス関連の一連の著作に、
個人的にハマッている今北さんの著書です。

 これまで読んだ著作からは、エレガントな雰囲気が漂う今北さん
ですが、船川さんの熱意にほだされてか、本来の(?)グローバル
で戦っていた姿を髣髴させるかのような、アツさを前面に出されて
いるのが印象的です。

 内容としては、今北さんの諸作で読んでいることと、先日紹介
した船川さんの著作の内容自体が、割と近いことを言っていること
もあって、新鮮さという意味では、欠ける部分があるのですが、
お二方の対談と言う形を取っているからか、妙なリアリティを感じ
させられます。

 この本で、「世界のフツー」と言っているのは、「日本のエリ
ート」との対比であって、日本では「エリート」とされる人であっ
ても、グローバルビジネスのステージでは、全く相手にされてい
ないことが多々ある状況で、グローバルビジネスにおいて、フツー
にプレーヤーとして認められるためにどうすればいいか、が書か
れています。

 まずは、最低限の条件として、自分の考えていることを自分の
言葉で語れること、なんですが、それを言うと必ず、"Why?"とか
"So What?"って返される…それに対して、ちゃんと論理だった
答えができるか、理不尽もしくは、明らかに悪意のあるアプローチ
に対して毅然と対抗できるか…今北さんのおっしゃる「知的
ボクシング」を戦い抜いて行けるか、ということがとりあえずの
条件のようです。

 その上で、積み上げないといけないことも多いのですが、その
最低限のところを押さえられていないにもかからず、グローバル
ビジネスのステージに出て行くのって、言ってみれば「打たれる
がまま」なわけですよね…

 いや、キビシイですね。