箱根駅伝/生島淳

箱根駅伝 (幻冬舎新書)

箱根駅伝 (幻冬舎新書)

 元々、注目度の高い大会でしたが、空前のマラソンブームや「山の神」柏原竜二
快走などから、箱根駅伝への関心がより高まっているように見受けられます。

 近年では、少子化の進行もあり、受験生の減少に悩む大学の経営陣にとって、出願
が近い時期に、テレビで大学名を連呼してもらえる箱根駅伝は、いかに露出度を向上
させるかという意味で、大学の経営自体を左右しかねない事態になっていることも
あって、いよいよ熱が入る状況となっています。

 とは言いながら、駅伝のコーチングをする側にとって、高速化がもたらすレース環
境の激化や、有力選手のリクルーティング競争の激化などと相まって、監督一人だけ
では、とてもチームマネジメントをカバーしきれない状況などが紹介されていて、改
めて箱根駅伝の深さを痛感させられます。

 特に、山登りの5区、山下りの6区の距離が伸ばされたことにより、山登り、山下り
スペシャリストの育成が重要度を増していたり、復路で単独行であってもキッチリ
レースを作れる選手の育成が課題になったり、レース展開そのものをとってみても複
雑さが増しているようです。

 今までなんとなく見ていた箱根駅伝ですが、この本を読んだことをきっかけに、より
ハマれそうな予感がしています。