サッカー日本代表システム進化論/西部謙司

サッカー日本代表システム進化論 (学研新書)

サッカー日本代表システム進化論 (学研新書)

 ワールドカップに出るどころか、アジアの中堅の位置すら危うかった1980年代半ば
以降の、日本代表の「システム」の変遷を追った本です。

 まあ、言ってみれば、ヨーロッパの先端的な戦術から5年程度遅れたものを取り入
れてというところから、段々と世界の最先端との情報的なギャップも少なくなってき
て、実践する方のスキルも段々と、ヨーロッパと比べてもそれほど見劣りしなくなっ
てきて…という変遷が伺えます。

 単にフォーメーションという意味では、対処療法的な変遷から、段々と自分たちの
やりたいサッカーを推し進めるためのものに変遷していっているのですが、あんまり
配置だけどうのこうのいうのは、あんまり意味がないんだなあ、とこの本を読んでい
て感じます。

 段々と日本人プレーヤーのスキルが上がっていく中で、どういう特徴を活用する
ためにシステムを活用していくか、そういう意味では、ようやく「日本らしさ」と
いうものを追求していい時期になったばかりなのかもしれませんね。