
- 作者: 後藤正治
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2006/09/20
- メディア: 新書
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同志社大学ラグビー部の大学日本選手権3連覇時の監督で、多くの名選手・指導者を
育成された、岡仁詩さんの評伝です。
ラグビーというと、根性論的なイメージがある方が多いかもしれませんが、この本の
主役の岡さんは、よく「リベラル」という言葉で評されることが多い方で、現役時代に
も、先輩が後輩を小間使いすることを禁じたり、選手にアドバイスをするときも、自分
の意見を押し付けるのではなく、選手がどう思っているかを尊重し、ヒントは与えなが
らも、最終的には選手の自主的な判断に委ねるというスタンスを貫かれていたようです。
岡さんに大きな影響を受けた中には、神戸製鋼で選手としても指導者としても大きな
足跡を残した平尾さんがいますが、平尾さんが言っていることって、結構岡さんの見方
と共通するところが多いんだろうなあ、と思います。
確かに、基本的なスキルを身につけるのに、反復練習が必要で、そのためにある程度
強制力が必要になる部分もあるんでしょうけど、フットボールの一種であるラグビーは
結局は、試合が始まってしまえば監督が関与できる部分が著しく少なくなってしまうの
で、そういう判断力を伸ばすことが、結局はチームの強化の近道だと考えられていたん
だなあ、と思わされます。
何か、スゴく涼しげな佇まいに、爽快さを感じさせられました。