プロ野球2.0/小島克典

プロ野球2.0 (扶桑社新書 24)

プロ野球2.0 (扶桑社新書 24)

 ライブドア近鉄の譲受に手を上げたときにGMをされていた方が、
立命館大学でスポーツビジネスの講義をされていたときに、ゲスト
講師の方との対談を交えた講義を行ったときの講義録をあつめた本
です。

 メジャーリーグ球団の経営陣や、プロ野球を扱うジャーナリスト、
Jリーグの運営に関わってきた人、そしてプロ野球の球団経営に関
わる人など、プロ野球にビジネス的に関わる人たちを招いて、プロ
野球のビジネス面から、今後プロ野球を見る人に対して、どういう
ことが訴求できるかについて語っています。

 以前は、プロ野球といえば、いわば娯楽の神様で、巨人戦なんか
だとほうって置いても、視聴率20%以上を稼げるドル箱だったのが、
メジャーリーグや、他のスポーツの興隆もあって、それなりの企業
努力がなければ、ビジネスとして成り立たせるのが難しくなって
きているようで、その辺りの「企業努力」について再三取り上げら
れていますが、見る側の嗜好が多様化する中、顧客へのアプローチ
も一筋縄でいかないようです。

 そういう意味で、Web2.0になぞらえて、『プロ野球2.0』という
タイトルになっているのですが、ここについては、あまり明確な
解は提示されていません。

 この本が書かれたのが、2008年なのですが、指摘された難しさ
というのは、より難易度を増しているようにも見えます。

 解決に向けた動き、みたいなところを取り扱った続編を読みたい
気がしました。