松下幸之助は生きている/岩谷英昭

松下幸之助は生きている (新潮新書)

松下幸之助は生きている (新潮新書)

 松下電器で、アメリカ法人のトップを勤められた方の著書です。

 よく松下幸之助に関する本って見かけられるのですが、松下内部の方の
本をあまり見たことが無かった(ワタクシが知らないだけ??)ので、興
味があって手にとって見ました。

 松下幸之助さんの人を大事にする経営というものは、今まで読んだ本で
も印象に残っていたのですが、それが日本を離れたらどうなるのか…でも
やっぱりアメリカにおいても、人のつながりというのは、当たり前ですが、
非常に重要で、松下幸之助流の人情に厚い経営というのは、アメリカでも
好ましく受取られていたようです。

 松下のアメリカ法人の社員の間でも、幸之助さんは非常に人気があった
ということですし、ステレオタイプの印象では、非常にドライなアメリカ
の会社ですが、どうやら松下ではちょっと違ったようです。

 あと、取引先との関係でも、最初はなかなか理解してもらえなかったよ
うですが、受け入れられてからは、非常に強いキズナとなったようです。

 やたらグローバルってことで、ある意味効率的なやり方ばかりが推奨
される昨今のようですが、オリンピック東京招致のプレゼンで、滝川
クリステルさんの「お・も・て・な・し」が深い印象を世界に与えたよ
うに、真摯に相手を思いやる気持ちというものは、人の心を打つんだな
あ、と改めて感じました。