これから10年、新しいお金とのつき合い方/津田倫男

 邦銀、外資の金融機関を経験した方の著書です。

 「新しい」というのは、今となっては「そうでもない」のかも知れないのですが、
「不確実性」ということが重要なキーワードになっているからかもしれません。

 最近は、ちょっと景気が上向きになる兆しも出かけていますが、バブル以前の、
「終身雇用」や「土地の値上がり」、「年金制度による老後の安心」といった
「神話」が復活すると思っている人はきっともう居ないでしょう。

 そういう意味で、投資による拡大志向も重要なのですが、どっちかというと、
お金に関する思考のベースとしては、「ディフェンスを固めてから、攻撃に出る」
と言った発想がよいようです。

 まずは、「収入 > 支出」となることを確実にするということで、特に、「支出」
の細かい内容と、トレンドを把握することが重要なようで、つかんだトレンドから、
如何に支出を抑える方策を取るか、ということが、スタート地点になるようです。

 ちょっと、地味で面白くないと思う人もいるかも知れないのですが、そういう人
こそ、謙虚にこの本の内容を受け止めて、対策をとった方がいいんじゃないかと、
余計なお世話なことをかんがえてしまうくらい、オススメです。