ツッコミュニケーション/タカハシマコト

 博報堂のクリエイターをされている方の、新時代における「生活者」との
コミュニケーションに関する本です。

 ネット、特にSNSの進化に伴って、以前だと、企業側から「生活者」へ、
という情報の一方通行だったのが、「生活者」から企業側へという情報の
流れが無視できない規模になってきています。

 そんな中で、企業側が「生活者」とよりよい関係を構築するために、企業
側が「生活者」側からの情報提供を積極的に促すことが重要になってきて
いるようです。

 そのための手法として、企業側がSNSにおいて、「生活者」に「ツッコミ」
代のあるネタを提供して、「ツッコん」でもらうという形態を、漫才になぞ
らえて、「ツッコミニケーション」と名づけられているようです。

 ただ、どうしてもそういったコミュニケーションを行う上で、企業側内部
での集団としての意思形成に時間がかかり、効果的なやり取りを阻害する
側面があるなど課題は多いようで、そこでいかにそういう障壁を取り除いて
いけばよいか、等の提言をされています。

 企業側は「炎上」を恐れて、SNSを積極的に活用することに二の足を踏み
がちなようですが、それなりに責任のある立場の人が、素直に「ぶっちゃけ」
てしまえば、ネット社会はかなり寛容だということも指摘されています。

 今まで、企業側のSNSの活用に関する本を何冊か読んできましたが、この
本が、今までで一番「使える」なあ、と思いました。

 企業でSNSを活用したいと思っている方にとっては、必読ですよ!