家庭で育てる国際学力/陰山英男×藤原和博

陰山英男 藤原和博 家庭で育てる国際学力

陰山英男 藤原和博 家庭で育てる国際学力

 今、ワタクシがハマっているおふた方の著書を見つけたので、一も二もなく
手に取ってみました。

 「国際学力」とありますが、英語がどうのこうのというわけではなくて、
国際的に、トップレベルで渡り合っていける位の学力を取り戻すための考え方
について語られています。

 とかく、日本の教育は、「正解主義」で知識偏重になってしまって、応用力
の欠如を指摘されますが、おふた方は、日本の指導要領の緻密な完成度を高く
評価されていて、あのボリュームで、効率的に必要な「基礎の基礎」を身に付
けさせることを賞賛されています。だから、今でも、全体の平均値を測るよう
な調査があれば、日本の教育水準は世界一だろう、とおっしゃっています。

 ただ、飛びぬけた才能を生み出す教育がなされていない、ということと、
陰山先生が以前読んだ本でおっしゃっていた、「サバイバルのための知恵」
(ちょっとニュアンスは異なりますが…)が教えられていない、ということです。

 そこで、お二方が必要だと思われているのが、
クリティカルシンキングのスキルを中心とした論理的思考
・相手を納得させるプレゼンテーション技術
ということです。
 
 それで、ちょっと意外なことをおっしゃっているのが、「人を疑う」ことを
教えなくてはいけない、ということです。

 道徳の授業とかで「人を信じる」と教えてしまうので、無条件で信じてしまう
ことが発生しているようですが、そもそも、裏切られたり、逆に親切にされたり
という経験を重ねた上で、「信じる」ことに到達するのが自然なのにも関わらず、
「信じろ」と言われてしまうと…これも、「正解主義」の弊害かもしれません…
 そうではなくて、自分の頭でちゃんと論理建てて考えて、「信じる」のかどう
かを決める、そういうことからクリティカルシンキングを始めるべきなんじゃな
いか、とおっしゃられています。

 まあ、親に向けた本であることには間違いはないのですが、子供をどうこう
しよう、というよりも、親も一緒になって学びなさい、という感じで、なかなか
キビしいっすよ!