父親のすすめ/日垣隆

父親のすすめ (文春新書)

父親のすすめ (文春新書)

 日垣さんの「父親」論です。

 日垣さんって、整然と論理的なことをおっしゃる知性派としての側面が
ある一方で、理不尽な主張に対する執拗なまでの攻撃という、ある種セキ
セントリックな一面もお持ちのように伺えるので、そういうところが子育
て論にどう反映されるのかな、ということで興味津々で手に取って見ました。

 結論から言うと、子育てにおいても、ロジカルな部分と、理屈ぬきにこ
れは譲っちゃダメだということのバランスを持って取り組まれているなあ、
と感じさせられます。

 そんな中でも、ちゃんと自分の軸を持って、よのなかを渡っていけるよ
う「しつける」ということで、このあたりは、最近頻繁に紹介している
藤原さんの主張と似通った部分もありますが、「ちゃんと自分の軸を持っ
て」という部分にかなり重点が置かれているように思えます。

 特に、日垣さんは、ご自身のお子さんに、「15歳までに1人で海外へ行く」
というルールを課しているということで、その手配なども自分でできる
ようになることで、処世の訓練とされているようです。

 ただ、親の側としても相当の「覚悟」を持って臨まれているようで、なか
なかマネができることではないなあ、と感じました。