スティーブ・ジョブス 人を動かす神/竹内一正

 ジョブスのビジネス面の伝記みたいな本ですが、まだジョブスの存命中の
2008年に出版された本です。

 ジョブスの成功要因については、素晴らしいアイデアを次々と生み出した
ことや自分のこだわりについての妥協のなさ、プレゼンの素晴らしさなど、
いろいろと語られていますが、この本では、そういう要因について、松下
幸之助や本田宗一郎などの成功者との類似点を挙げながら語られています。

 例えば、本田宗一郎がエンジン内部の誰も見ないようなところにもこだわ
りを見せたように、ジョブスもコンピュータ内部の基盤のハンダ付けにも
整然とした美しさを要求したことが紹介されています。

 よくジョブスのダークサイドとして、偏執狂的なこだわりや周囲の人に
対する苛烈な要求が挙げられますが、そういった一面も、自分がこだわるこ
とを一切の妥協なく実現しようとする姿勢のあらわれということのようです。

 でも、こういう苛烈な姿勢にも周囲が従うというのも、ジョブスがその人
の能力を本人も想像していなかったようなレベル引き出してしまうことに
とりつかれてしまうからなんでしょうか…