俺が、つくる!/岡野雅行

俺が、つくる!

俺が、つくる!

 痛くない注射針や携帯電話のリチウムイオン電池ケースなど、業界の「常識」
では「不可能な」加工をやってのけ、並み居る大企業や、アメリカ国防総省とも
対等にやりあう、「世界一の職人」の著書です。

 モットーとして、「他人のやらないことをやる」ということで、他社が、儲け
にならないからといってやらないことや、難しくてできない、ということを手が
けて高い利益率を実現しているようです。

 この本の中で岡野さんは、大部分の企業は、どうしても目先の利益率を追いか
けて、長期的な視点がもてないから、結局長い目で見て儲からないんだ、とおっ
しゃいます。

 岡野さんは、請け負った仕事に対して、数倍のコストをかけてでもやることは
あるんだけれど、あくまでもそれが、「撒き餌」になるんだ、ということが見え
ているからやるんだ、ということです。

 確かに、「常識では不可能」なことを実現させる、ということもスゴイこと
だとは思うのですが、個人的には、岡野さんの一番スゴイところは、「次はこう
いう時代になるから、こういう製品が売れるようになる」ということを見据えて
いるところなんじゃないかと、思いました。