- 作者: 谷川浩司
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2000/12/01
- メディア: 新書
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将棋の十七世名人・谷川さんの著書です。
タイトルは「集中力」ですが、将棋に強くなるために必要な、集中力、思考力、
記憶力、気力について語られています。
将棋は、凄まじいまでに突き詰めて「集中」しないといけない、というイメージ
があったのですが、それはそれで、ある意味正しいのですが、ただそればかりでは
強くなれない、というのが谷川さんのご意見のようです。
必要な時に突き詰めてギュッと集中するために、対局中であっても、抜くべき時
は抜く、勝負にも執着すべきときと、そうしすぎると妙な「欲」がでてだめだとか、
想像以上に「バランス」が重要なようです。
思考力にしても、先人の棋譜を重視しながらも、最終的には「感性」を磨かない
と勝てないようです。
将棋って厳しいなあ、と思ったが、いくら優勢であっても、ほんの一手の差違え
で、ガラっと流れが変わって負けてしまった経験を多く語られており、そういう
意味でも「バランス」が大事なんだなあ、と感じさせられます。
冒頭に羽生名人との格闘について書かれていますが、そういう好敵手の存在も
偉大な名人としては必要なようで、非常にストイックに見えながらも、軽妙な顔
も見せられて、と意外で魅力を感じました。