なぜかミスをしない人の思考法/中尾政之

 失敗学の権威が語る、「失敗」に関する本です。

 このタイトルだけ見ると、如何に「失敗」を回避するか、というネガテ
ィブというか、マイナスからイーブンに戻るって印象を受けますが、実際
には、もっと深い内容が含まれているようです。

 「失敗」がもたらすネガティブな結果を避けるには、突き詰めて言えば、
その人が如何に、「失敗」の当事者意識を強く持てるか、ということに
尽きる、とおっしゃっているように感じました。

 「失敗」が起こる前で言えば、如何に起こりうる「失敗」をリアルに
イメージして、事前にそれを避けうる最大の対策を取れるか、ということ
が重要でしょうし、「失敗」が顕在化した時点では、如何に「失敗」を直
視し、フラットにその影響範囲と、プライドやこれまで費やしてきたコスト
や立場を脇に置いて自分への影響範囲を冷静に把握できるか、ということが
重要なようです。(って、メッチャ難しい判断ですけど…)

 この本がスゴいのは、「失敗」をマイナスの影響に終わらせるだけでなく、
如何に次のステップのタネにするか、ということにふれられているところ
でしょうか…