- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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橘さんは東日本大震災以降、日本人論的な著書を立て続けに
出版されていますが、この本もその流れに属する本です。
この本のコンセプトは、「日本の問題を進化論の視点から考
えてみる」ということだそうで、様々な「不都合な真実」が
人間の進化論のロジックから説明できることが多い、という
ことを、この本で紹介されています。
いじめの問題や、搾取の問題等々、目を覆いたくなるような
現象が人間の進化の本質に根ざしていると言われると、絶望的
になってしまいかねないところです。
でも、橘さんはあとがきで、現代の科学がこういった問題の
原因を明らかにし、その解決法を提示できるところまで来た、
ということで、今後、我々がその解決法に従って制度を整備
し、「不都合な真実」を解消していく緒が見えたんだ、という
「希望」を語られています。
これまで、ダークな側面を語ることの多かった橘さんが、
そういう「希望」を語るところに、大いなる「信憑性」を感
じた次第でした。