定年が楽しみになる生き方/吉越浩一郎

定年が楽しみになる生き方 (WAC BUNKO)

定年が楽しみになる生き方 (WAC BUNKO)

 『デッドライン仕事術 (祥伝社新書)』などの著作で知られるトリンプ
元社長吉越さんの本です。

 『デッドライン仕事術 (祥伝社新書)』を読んでいると、「効率重視」の
仕事人間みたいに思えるところもあるのですが、それもやっぱりプライベ
ートの時間を確保するためだったんだなあ、とこの本を読むとわかります。

 「余生」という言い方がありますが、リタイアした後というのは、吉越
さんに言わせると「余生」ではなく、仕事から解放されて、人間として本
来の人生を楽しむ「本生」なんだとおっしゃいます。

 ただ、会社員としての生活で、「仕事」に寄りかかってプライベートを
充実させてこなかった人は、「本生」において手痛いしっぺ返しを受ける
ようです。

 「定年離婚」なんて言葉が一時期流布されましたが、パートナーとの良
い関係を維持していたりとか、仕事以外の「やること」を仕事をしている
うちからやっておかないと、いざ定年になって何をやったらいいのかわか
らなくなった挙句、周りには何もなくなってしまっていた…ということに
なりかねません。

 吉越さんのように、意識してプライベートを大事にしてきた人でも仕事
を引退したあとは、ちょっとした虚無感があったということで、そうなら
ないようにと、この本を書かれたようですが、しっかりとこの本を読んで
準備をしないといけないようですよ。