「自分ごと」だと人は動く/博報堂DYグループエンゲージメント研究会

「自分ごと」だと人は動く

「自分ごと」だと人は動く

 博報堂の研究グループによる、マーケティングに関する本です。

 かつては、マスなメッセージを「大衆」に向けて送っておけば、それなりの
反応があったのが、次第にその反応率が落ちていき、様々な嗜好をもつ「分衆」
に対して効果的なアプローチができなくなっていると言われたのが1985年で、
それ以降も、如何に消費者にアプローチしていくか、ということが試行錯誤
されてきたようです。

 そんな中で、ネットの進展に伴い、個々の嗜好を持ちながら、同好の他者との
つながりを持とうとする「網衆」という概念が現れてきているようです。

 そう言った人々は、自分に関係の無い情報は「スルー」するけれども、関心の
ある情報については、同好の士に情報の「シェア」をすると言う行動をとると
言うことに着目して、こういう人々に情報を送る(to C)のではなくて、こう
いう人々と同化(with C)ことが支持を集めることになるということで、こう
いう人々が、他人事じゃなくて「自分ごと」だと思えるようなメッセージを
発して共感を持ってもらえるようにするアプローチが効果的なんじゃないか、と
されています。

 そうするためには、一方的に情報を発信するだけじゃなくて、ターゲットと
する人からの「ツッコミしろ」を持っていることが必要なようで、そこをツッコ
ンでもらうことで、ターゲットから親近感を持ってもらえる、ということのよう
です。