アメリカの世界戦略に乗って、日本経済は大復活する!/中原圭介

アメリカの世界戦略に乗って、日本経済は大復活する!

アメリカの世界戦略に乗って、日本経済は大復活する!

 この本が書かれたのが、安倍政権が誕生して、「アベノミクス」という
言葉が広まり始めたころです。

 なぜ日本経済が復活するか?ということなんですが、基本的には、アメ
リカのデフレのプロセスが2015年位に終了して、経済循環における上昇期
に入るということなんですが、それに加えて「シェールガス革命」と呼ば
れる、シェールガスの発見に伴うエネルギー政策の根本からの転換による
影響が、「第二の産業革命」と言ってもいいくらいのインパクトを持つと
いうことなのです。

 これまで、アメリカは世界最大のエネルギー消費国であると同時に、世
界最大のエネルギー輸入国でもあったのですが、向こう100年分のシェール
ガスを既に発見し、更なる可能性を秘めていることから、エネルギーにか
かるコストが大幅に低下するトレンドに転換し、エネルギー輸出国になる
ということで、対ロシア、対中東といった外交政策も、大前提が変わって
しまうことによって、コペルニクス的転換が見込まれるということです。

 その中で、アメリカは、対中東に向けていた労力を、対中国に向けるこ
とが想定され、中国抑え込みのパートナーとして、日本の重要性がより
高まり、その武器として「シェールガス」輸出により、産業界全体のコス
トを低下させ、これまでの中国の労働コスト優位を一気に葬り去り、さら
には、インド、インドネシア等を取り込み、アジアにおいて中国包囲網を
形成しようというものです。

 その中で、2015年のアメリカでの不況終了を受け、日本でも本格的な
上昇期を迎えるということです。

 この畳み掛けるような論理展開に、めくるめくSF映画を見せられて
いるような気になるのはワタクシだけでしょうか…