
- 作者: 中原圭介
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2013/03
- メディア: 単行本
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この本が書かれたのが、安倍政権が誕生して、「アベノミクス」という
言葉が広まり始めたころです。
なぜ日本経済が復活するか?ということなんですが、基本的には、アメ
リカのデフレのプロセスが2015年位に終了して、経済循環における上昇期
に入るということなんですが、それに加えて「シェールガス革命」と呼ば
れる、シェールガスの発見に伴うエネルギー政策の根本からの転換による
影響が、「第二の産業革命」と言ってもいいくらいのインパクトを持つと
いうことなのです。
これまで、アメリカは世界最大のエネルギー消費国であると同時に、世
界最大のエネルギー輸入国でもあったのですが、向こう100年分のシェール
ガスを既に発見し、更なる可能性を秘めていることから、エネルギーにか
かるコストが大幅に低下するトレンドに転換し、エネルギー輸出国になる
ということで、対ロシア、対中東といった外交政策も、大前提が変わって
しまうことによって、コペルニクス的転換が見込まれるということです。
その中で、アメリカは、対中東に向けていた労力を、対中国に向けるこ
とが想定され、中国抑え込みのパートナーとして、日本の重要性がより
高まり、その武器として「シェールガス」輸出により、産業界全体のコス
トを低下させ、これまでの中国の労働コスト優位を一気に葬り去り、さら
には、インド、インドネシア等を取り込み、アジアにおいて中国包囲網を
形成しようというものです。
その中で、2015年のアメリカでの不況終了を受け、日本でも本格的な
上昇期を迎えるということです。
この畳み掛けるような論理展開に、めくるめくSF映画を見せられて
いるような気になるのはワタクシだけでしょうか…