- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/10/01
- メディア: 単行本
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以前紹介した『やせる! (光文社新書)』や『「有名人になる」ということ (ディスカヴァー携書)』で、
最近の勝間さんの著作のトーンが、初期の論理で畳み掛ける感じから、
語り口もやわらかくなり、あんまり論理的な叙述に慣れていない人
にも読みやすくなった、的なことを書いたのですが、この本も、そう
いう傾向を踏襲しています。
ただこの本、いままでの著作と違って、正直、何を言いたいために
書かれたのかよく判りません。
いままでの本だと、冒頭に目的がバーン!と書かれていて、それに
向かって緻密な構成で、これでもか!というくらい目的に対する位置
づけをされていて、あたかも全体の俯瞰図を見ながら本文を読むよう
な安心感があったのですが、この本は、どっかの大学教授が書きたい
ことをぐだぐだと書き散らした、的な、ある意味、構成を放棄したよ
うな、勝間さんらしくない感じです。
内容としては、専門家が言ってるからといって鵜呑みにするな、と
いうことで、何故そうなるか、というと多くの専門家が視野狭窄に
陥っているか、そうで無いとしても、それをシロウトに語るには、
表現力が不足している、ということで、あるトピックについて、何人
かの専門家の言っていることを並べてみて、比較検討した上で、自分
なりの解釈をすべきだ、ということなんだと思われます。
敢えて論理を捨てたのか、どういう意図でこのテーマで書こうと
されたのか…あまりにも勝間さんらしくなくて、ちょっと戸惑って、
著作の世界に入り込めていないのも確かなのですが…
正直、勝間さんのパワーが落ちてきているなあ、と思ってましたが、
ちょっとこれは、決定打かもしれません…