物語の体操/大塚英志

物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン

物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン

 密かに、木田さんオススメシリーズが続いています。

 ちょっとこの本はその中でも異色で、シロウトでも「物語」を書ける、
ということで、ビジネスには関係なさそうなんですけど、最近、提案とか
にも「ストーリー」を活用するといったことが提唱されており、無縁では
居られないかもしれない、ということで手にとって見ました。

 大塚さんはマンガの原作なんかを手がけられていて、かつ小説を書こう
とする人たちを教えられていたりする方です。

 冒頭に、著名な小説家の小説を読んでいると、「小説を書く」というこ
とが天才の所業のように思えて仕方ないですが、果たして「物語を作る」
ということが、天才にしか許されていないことかというと、そうではない、
ということをおっしゃっています。

 というのも、「あかずきんちゃん」に出てくるキャラクターの絵を、
5歳の子供に見せて、物語を作って!というと、その子也のストーリーを
構築するということです。

 後は、抽象的な言葉を書いたカードを無作為に引いて、それを元に物語
を構成してみるように、大塚さんの生徒さんたちに指示すると、それなり
に物語を作るようです。

 そういう構成の仕方というのは、ロールプレイングゲームと親和性が
強いようで、そういったサブカルチャーをベースにした作風の作家による
作品は構成がわかりやすく、ある意味、物語を作ろうとする人たちにとって
とっつきやすいようです。

 ということで、「物語を作る」というブラックボックスの構成要素を
丁寧に分解して、こうするということを説明しておられるので、ひょっと
したら自分でも…と思える本です。

 提案活動に「ストーリー」を活用したいと思っているビジネスパーソン
の方は、話のタネに是非、一読の程を!