- 作者: 西部謙司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/06
- メディア: 新書
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西部さんの戦術本ですが、今回のテーマもズバリ「バルセロナ」
です。
この本は、グアルディオラが退任した2011-12シーズン直後に
書かれた本なのですが、グアルディオラのチーム戦術を中心に、
バルサのサッカーの特異性と、優位性について、歴史的経緯を交
えて語られます。
冒頭に、他のチームと比較した場合のバルサの特徴として、
「バックパス」を躊躇しない、ということが語られます。
これがちょっと目からウロコでしたね…
基本的に、ゴールに向かって攻める競技では、攻撃に時間を
かけるほど、相手に守備を固められてしまって、得点の可能性
が低下するので、攻撃に時間をかけないことが常識、と言われま
すが、バルサは、時間がかかることを恐れずに、ボールを保持
して、相手に攻撃の機会を与えないためにも、バックパスを、
逃げの手段としてではなく、積極的な戦術の選択肢として活用
している、ということです。
それだけ、守りを固められても、こじ開けられるという自信
に裏打ちされているということなんでしょうが、そうやって
「70%程度のポゼッションを保持していれば、80%以上の試合に
勝てる」ということで、徹底的なリアリズムに裏打ちされてい
るようです。
ただ、2013-14シーズン、ついに無冠に終わり、転換期に差し
掛かったと言えるバルサですが、来シーズンは立て直して、
グアルディオラの頃のような、目の覚めるようなサッカーを見
せてくれるのでしょうか?