参謀/森繁和

参謀 (講談社文庫)

参謀 (講談社文庫)

 落合監督と二人三脚で中日の黄金時代を作り上げたヘッドコーチ・
森さんの著書です。

 「男が男に惚れる」って、すべての男が夢見る「おとぎ話」だと
思うのですが、落合監督と森コーチの関係は正にその理想的な形で
の信頼関係が紹介されます。

 それにしても、中日生え抜きの人脈が少なくなってきたことを
やっかんだ人たちが、勝っているにも関わらず、自分たちの存在感
の低下を危うんで、落合−森体制を追い落とし、見事にチームを壊
してしまったことに、アンチ中日のワタクシとしてはホッと胸をな
でおろす部分の無きにしも非ずなんですが、それ以上に、史上稀に
見る緊密な体制のチームを失ったことについて、残念としか言いよ
うがありません。

 それにしても、落合−森体制のすべてのことを「勝つ」こと一点
のために、緊密な組織や選手・コーチ陣の意思統一等々を作り上げ
る集中力には、感嘆を覚えます。

 それにしても、任せる落合監督の器、忠実に任務を遂行する森
コーチの献身、正に天の配剤でしたね。

 GMとヘッドコーチという形で関係が復活しましたが、あれ程の
状況というのは、なかなか復活するのは難しいかもしれませんね。