新幹線お掃除の天使たち/遠藤功

新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?

新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?


 東京駅から新幹線に乗られたことのある方は見覚えがあるかと思い
ますが、新幹線が着く前に、整然と列をなして、折り返し出発までの
わずかな時間に驚異の段取りで社内清掃をする方々について書かれた
本です。

 あの社内清掃を請け負われているのが、鉄道整備株式会社という
JRの関連会社で、元々は、任務はマジメにキッチリ遂行するんだ
けど、「所詮は、掃除員」みたいな考えがあって、自分の業務の範囲
外だと思ったら、ほとんど興味示さない感じだったようです。

 それが業務を、新幹線の乗客に快適に過ごしてもらうための「トー
タル・サービス」だと定義して、「みんなで創る『さわやか・あんし
ん・あったか』サービス」のスローガンの下に、QC活動を行った
ところ、どんどんの改善に関するアイデアが現場から上げられて、
個々のスタッフが、どうしたらよくなるんだろうということを自発的
に考えて提案するように、現在の「世界一の現場力」と言われ、海外
からも視察団が訪れるような集団となったようです。

 どこか、リッツ・カールトンやディズニーランドのスタッフの方を
思わせるような、素晴らしいお話でした。