- 作者: 遠藤功
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/09/14
- メディア: 新書
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先日、『新幹線お掃除の天使たち 「世界一の現場力」はどう生まれたか?』を
紹介しましたが、ビジネスの現場の研究をライフワークにされている
センセイの早稲田ビジネススクールにおける講義を再現した本です。
日本は、世界の中でも「現場」を重視する傾向が強いということ
なのですが、この本では、そもそも「現場」とは何かということから
始まって、如何に「現場」を勝ちあるものにするか、という観点から、
どういう施策をとるべきなのか、ということを説明されています。
特に、「失われた10年」といわれる時期に、「現場」を単に「コス
トセンター」と見做し、いろんな意味でのリストラのターゲットと
したことで、競争力を低下させ、負のスパイラルに入ったことを指摘
された上で、「現場」と言うのは単なる「コストセンター」ではなく、
顧客に対して何らかの価値を生み出す源泉となる「バリューセンター」
としての側面もあるのだ、ということを強調されています。
そういった「バリュー」を十全に発揮させるためには、単に「現場」
からの「ボトムアップ」を待つというわけではなく、その前提として
「トップダウン」の施策があって初めて、そういう価値が生まれるん
だという指摘も、当たり前といえば当たり前ですが、納得でした。