- 作者: 藤原和博
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2013/12/06
- メディア: 新書
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「負ける力」というタイトルの経緯はあとがきに書かれているので
参照いただくとして、でも、あんまり「負ける」ということと、イメ
ージ的に直結しない内容です。
「ベクトル」を合せて、自分だけでは実現できないレベルのことを
実現する、ということがメインのテーマになっており、まあ、今まで
読んできたような内容のことを、「ベクトル合わせ」という切り口で
語る、ということなんで、藤原さんの本を何冊も読んでいる方は、
またか、ということになるのですが、切り口が変わったがゆえに、
そうだったのか、ということもあるので侮れません。(とはいえ、
大部分は、あーまたか、ということなんですが…)
ただ、自分と方向性が違うからといって単に反発するとか、交わら
ないとかということではなく、常に相手のベクトルを意識して、どう
補助線を引いたら、相手との相乗効果で、どういう成果をだせるのか
という意識をしておくことによって、妙に苦手意識を持つこともなく
なりますし、大きな成果を得ることもできるということで、その補助
線の引き方を色々と紹介されています。(まあ、過去に書かれていた
ことを、そういう切り口で見る、ということですが…)
ちょっとメインテーマとは関係ないのですが、教育のところで、以
前は、7割の子供の能力を引き上げるようにということで行ってきた
教育が全体の押し上げにつながっていたようですが、最近は、子供の
能力の差、親の財力の差などの要因で、高いレベルの子と低レベルの
子と二つの山ができていて、平均的な部分に山ができず、そこにフォ
ーカスしていた、従来の考え方の教育の効果が著しく低下していると
いうことです。
まあ、面白いっちゃあ面白いところもあるのですが、ちょっと引き
出しが枯渇してませんかね…ブレないところはいいんですけどね。