W杯に群がる男たち/田崎健太

W杯(ワールドカップ)に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 (新潮文庫)

W杯(ワールドカップ)に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 (新潮文庫)

 W杯をビッグビジネスとして、金のなる木に仕立て上げたとされる
アベランジェFIFA会長を中心とした、W杯商業化、FIFA内の権力闘
争、それに翻弄される日本と韓国のW杯招致を描いた本です。

 もちろん、今のようにW杯の規模が大きくならなければ、日本では
ここまでサッカーが省みられることは無かったかも知れないですし、
かなりの確率で、日本は未だにW杯に出られていなかったということ
で、かなり恩恵は受けているのですが、少なくとも日本だけで開催で
きたはずのW杯を半分韓国に掠め取られたという感想を持ってしまい
ます。(あの時は、韓国との距離が近くなって良かった、と思いまし
たが、それも双方の為政者の恣意的な行動によって、全く水泡に帰し
てしまいましたね…)

 それにしても、FIFAの内部闘争やその周辺の権力争いを見ていると、
あそこまでエゲツない闘争をよくやってられるな、という素朴な感想
を抱いてしまうのですが、現役時代、あんなに美しかったプラティニ
の今の姿を見るにつけ、色んな意味で何て醜い、と思ってしまうのは
ワタクシだけでしょうか…