雨の日も、晴れ男/水野敬也

雨の日も、晴れ男 (文春文庫)

雨の日も、晴れ男 (文春文庫)

 『夢をかなえるゾウ』の水野さんの著書です。

 この本も、ありえない設定を、さも当然のように設定し、ハチャ
メチャをさせて、笑わせて、泣かせる、というパターンに変わりは
ありませんが、世界に惹き込まれてしまいます。

 この本では、神様の子供が、アレックスという冴えない男の運命
の手帳に、いたずらで不幸なことが起こるように書き込んだこと
から始まりますが、どんなに不幸な目に遭わせても、前向きな姿勢
で周りを楽しませるアレックスの姿に意地になって、どんどん不幸
をエスカレートさせていき、とうとう命を失う状況になって、コト
の重大性に気づいた子供たちは、アレックスを助けに行くのですが、
そんなことをしたことを打ち明けた子供まで、楽しませようとする
アレックス…

 ちょっとネタバレしすぎですが、自己啓発書でよくあるポジティ
ブ思考のパロディみたいなものなのですが、ちょっと物悲しくも、
きっと周りに応援してもらえるんだな、と思うと悪くないのかも
と思わされるストーリーでした。