僕が大人になったら/佐渡裕

僕が大人になったら (PHP文庫)

僕が大人になったら (PHP文庫)

 以前、『僕はいかにして指揮者になったのか (新潮文庫)』を
このブログでも紹介しましたが、世界的な指揮者である佐渡さん
の、CDジャーナルでの1997〜2005年のエッセイをまとめた本なの
ですが、ヨーロッパ各地で活躍されている様子が描かれています。

 前回、『僕はいかにして指揮者になったのか (新潮文庫)』を
紹介した最後に、「『コンサートに、来てみぃひん?』っていう
誘いに、ちょっと心が動かされる、そんな本でした。」と書きな
がら、未だクラシックのコンサートには行けていないのですが、
多分、相当アタマを掻き毟るような大変な想いをされているのだ
と想像できますが、そういうのを文章上では表さないだけなのか、
楽天的に乗り越えていくタイプなのかわからないですが、全身で
ブチ当たっている間に、最後には、オケのメンバーと一緒に笑っ
ている、といったような頼もしさを感じます。

 佐渡さんもこの本の中で触れられていますが、日本ではクラシ
ックというと神経質なイメージがあって、コンサートのチケット
の値段が高く、物音一つ立てない、といった感じで、何かリラッ
クスして楽しめるって感じじゃない印象があるのですが、ヨーロ
ッパでは、クラシックのコンサートも生活に根付いている感じが
して、気軽に行けそうに思えます。

 是非、佐渡さんに日本でもそういう雰囲気を作ってもらいたい
な、と思います。