学校では教えてくれないお金の話/金子哲雄

 昨年、逝去後に出版された『僕の死に方』が
話題をまいた金子さんの著書で、14歳を対象にして書かれた「お金」
に関するお話です。

 PB(プライベートブランド)が何故安いのか?とか、飛行機の先割
は何故早く買うほど安いのか?とか、お金にまつわる、おそらく中学
生にとってはちょっと不思議な現象について詳しく説明されています。

 お金の話自体も面白いのですが、一番印象に残ったのは、金子さん
自身が、相当戦略的に目的にアプローチしていることです。

 ある日、街中でジャガーをみてカッコいいと思った金子さんは、
ジャガーに乗る!」という目標を立てられたのですが、そのために
スポーツ選手になるとかいろいろと手段を考えた上で、結論として
「社長になる」と考えられたわけですが、社長になるためにというこ
とで、色んな要素を考慮された上で、慶応大学への進学を志したと
いうことを紹介されています。

 結局、段々とクルマに興味が無くなって、ジャガーに乗ることは
無かったようなのですが、流通ジャーナリストを志されたのも、自分
が買い物が好きで、かつ流通を専門にしているジャーナリストがい
ないという、いわゆるブルーオーシャン戦略を取られたということ
です。

 ちょっと、中学生が深いところを読み取れるかどうかは別として
そういう思考があるんだということを知ってもらうためにも、是非
ムスメに読ませてみたいものですね。