僕の死に方/金子哲雄

 先日、著書を紹介した金子さんですが、やっぱりこれを手に取らないと
ダメでしょ、ということで、紹介します。

 前半、駆け足でご自身の半生を紹介されていますが、大分部は、死の
原因となった肺カルチノイドが判明してから亡くなるまでのことを描かれ
ています。

 前に紹介した本でも、流通ジャーナリストが天職みたいなことを書かれ
ていましたが、それが軌道に乗った時点での発病ということで、もっと
いろいろ世間に伝えたかったことがあったでしょう、ということと、自分
の分身たる奥様を残してこの世を去るという意味では、無念だったに違い
ないのですが、自分の余生が長くないと悟ってから、亡くなるまで、限ら
れた時間の中で、最大限自分の命を燃やし尽くした過程をみるにつけ、あ
る意味、憧憬を禁じえません。(だったら、お前の命をくれたら…と言わ
れそうですが…)

 ここまで自分の仕事を愛し、パートナーを愛し、それを全うしてこの世
を去った、というのは、不謹慎な言い方かもしれませんが、本当に羨まし
い気がします。

 きっと、まだ、あちらで忙しく駆け回っておられるんでしょうね…