駅伝流/渡辺康幸

 以前紹介した『復活から常勝へ―早稲田大学駅伝チームの“自ら育つ力" (新潮文庫)
の続編という感じで、2011年の駅伝三冠を成し遂げた後に書かれたもの
です。

 ある程度、前回のものと被っているところが多かったりするのですが、
前回はシード権を失うところまで堕ちたところから、ある程度箱根での
勝利が視界に入るまでを描かれていたのですが、今回は三冠を経て、
勝つためのチーム作りといった観点で書かれていて、ここまで書いてい
いの?って思うくらい赤裸々に語られています。

 意外だったのが、ご自身が絶対的エースだったにも関わらず、エース
に頼るチーム作りに否定的なご意見をお持ちだということです。

 確かに絶対的エースがいることは、それだけ勝利の確率が上がるん
ですが、頼りっきりになると、いざエースが故障すると、その時点で
チームが崩壊してしまうからなんだそうです。

 各区間のランナーの配置の考え方から、リクルーティングの際の観点、
チームのコンディション管理まで、ホントにここまでバラシていいの?
と思うくらい書かれていますので、これを読んで箱根を見ると、より
深く観戦できるのでは?と思います。