- 作者: 江夏豊
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/02/26
- メディア: 文庫
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「江夏の21球」で知られる伝説的リリーフエース・江夏豊氏の自伝です。
日本において投手の分業制の礎を築いたとされる江夏さんですが、元々
いろんな話を聞いて断片的に知っていたとは言え、この本を読んで、やっ
ぱり、それでも過小評価されていると感じましたし、もっと十全にその才
能を発揮していたら、どんなスゴイことになったんだろう、と思うにつけ、
本当にもったいないことをしたな、と思います。
というのも、肩の酷使によるケガは、投手の職業病なので、百歩譲って
仕方がないにせよ、持病である心臓疾患、周囲との衝突など、これらが
無くて、ホントに野球に集中できる状況であれば、どんなに凄かったのか
な、ということなのです。
でも、そういうところに敏感に反応してしまうところが江夏氏の真骨頂
であり、そういう繊細さがあったから、あれだけのことが成し遂げられた
とも言えるかも知れない、という部分もあり、才能と言うのは理不尽な
ものだなあ、とやりきれないキモチにさせられる本です。