「どうせ変われない」とあなたが思うのは、「ありのままの自分」を受け容れたくないからだ/千田琢哉

 三日連続で千田さんの本です。

 自分が「こうありたい」と思うばかりに、我々はその方向ばかりを見て、自分の
ありのままの姿を見失いがちなんですけれども、自分が「こうありたい」と願う、
その真逆の状態ということに着目すると、意外と解決の手立てが見えてくるんじゃ
ないの?といったことを、いくつかの事例を挙げて、示唆されています。

 冒頭に、「強くなりたい」と思う人は、ついつい自分の弱さに目を背けがちに
なるんですけど、そういった「弱さ」を受け容れることこそが、「強さ」につながる
んだとおっしゃいます。

 また、よく「自分探し」ということがあるんですが、「自分らしさ」というのは、
「隠そうと思ってもついはみ出してしまう」ものだとおっしゃっておられ、探して
いる「自分らしさ」というのは、「そう見られたい」という自分であることが多い
ともおっしゃっています。

 それにしても、この方、引き出しが多いですねぇ…大体どんな著者の方も3冊読むと、
「あ、これ、あの本でも書いてた!」って言うのが目について来るんですが、もちろん
千田さんも、声を大にして言いたいことについては、敢えて繰り返し書かれていること
があるんですが、ホントに内容の被りがないにも関わらず、かつ内容のブレがないと
言う意味で、非常にハイレベルな「自己啓発本」の書き手だと思います。