明治大学で教える「婚育」の授業/諸富祥彦

明治大学で教える「婚育」の授業 (青春新書インテリジェンス)

明治大学で教える「婚育」の授業 (青春新書インテリジェンス)

 明治大学で「婚育」に関する講座をもたれているセンセイの本です。

 「婚活」じゃなくて、「婚育」です。
 まあ、大学生で婚活してもねえ…と言うんですが、諸富先生によると、いきなり
婚活をやれ、といってもその年代になると既に手遅れなことが多くて、大学生の
年代から、将来婚活を行うのに必要な、ベースとなるコミュニケーション能力の
育成、ということで「婚育」に取り組まれていると言うことです。

 最近、せっかく狭き門を潜り抜けて就職しても、適応できずに3年くらいまでで
辞めてしまったりとか、異性に興味がもてないのか、関わって傷つくのを避けたい
のか、異性と関わろうとしない若年層が多いということで、大学としても、「幸福
に生きていく為には」ということで、社会性を身につけてもらうための一環として
「こころの科学」という講座を開講されていて、その一つが「婚育」の講義だとい
うことです。

 平たく言ってしまうと、相手とのコミュニケーションのパスを閉ざすのではなく、
かつ自分のことばかり相手に押し付けようとするのではなく、相手を受け入れなが
ら、自分の主張も適切にできるようにすることで、仕事上においても、友人関係に
おいても、恋愛関係引いては夫婦関係において健全な交流を図れるようにしよう、
ということです。

 その中では、相手に関心を持つとか、相手をわざと傷付けるようなことを言わ
せて、その影響を体感するだとか、そういう濃密な人と人との交わりを実感する
といったことが含まれるようです。

 うーん、オジサンたちは、子供の頃からこういうことをイヤと言うほど味わって
いるので、大学生になるまでこういう体験をしなかったというのは驚きですが、
そういう社会なんですねえ…