「モテ」の構造/鈴木由加里

「モテ」の構造―若者は何をモテないと見ているのか (平凡社新書)

「モテ」の構造―若者は何をモテないと見ているのか (平凡社新書)

 フランス文学を専門としながらも、男女の性差などについていくつかの
著作をお持ちの方の本です。

 「モテ」をテーマにしているから、軽い読み物かなと思って手に取った
のですが、確かにそういう側面もあるのですが、風俗史的な背景を取り上
げたりと、聖俗織り交ぜたものになっています。

 主に、男性が女性にモテるための行動についての考察の内容が多いので
すが、最近でこそ男性がモテるために服装を始めとする見た目に気を配る
人が多くなって来ていますが、高度経済成長期以前は、逆に、男が服を
気にするなんてチャラチャラした…的な考え方が多かったようですが、実
はそれも、江戸期以降の現象らしくて、それ以前は、戦場に赴く武将が
化粧をしていたりと、見た目に気を遣っていたというのは、ちょっと意外
でした。

 あとは、服装に限らず、モテるためのテクニックがもてはやされるよう
になったのが、バブル期のHot-Dog PressとかPopayeだとかということで、
バブル期に学生時代をすごしたワタクシとしては懐かしく思えました。

 そういう時期に学生だった今のオヤジがLEONを読むのは、偶然では
なさそうですね。