サッカー監督という仕事/湯浅健二

サッカー監督という仕事 (新潮文庫)

サッカー監督という仕事 (新潮文庫)

 再び、湯浅さんの本です。

 この本も、2000年の出版なんで、トルシエ・ジャパンの頃の話です。

 タイトルからは、サッカーの監督の資質や役割と言うものを体系的に語ったもの
かな、と思うのですが、前の本もそうでしたが、この方、割と主題から脱線するこ
とが多くて、フツーの観戦記みたいな感じになりながら、突然本題に戻って、「こ
の場面における、監督の役割とは…」みたいな感じなんで、ちょっと面食らうとこ
ろはあるのですが、話自体は割りと面白いので、しょうがないなあ…と思いながら
読み進めることになります。

 まあ、監督の話を中心にしたサッカー関連のエッセイと思えば、あんまり違和感
はありません。

 冒頭に、サッカーの監督と言うのを一言で言うと、「志向するサッカーを選手に
実践させる」ことだと言います。

 その中には、自分の志向するサッカーを選手に理解させる必要がありますし、
それを試合において実行させるためには、有効なトレーニングをする必要があり
ますし、攻撃が好きな選手に守備をさせないといけない場面もありますし、全然
パスが出てこないのにムダ走りをさせないといけないこともあります。

 ということで、サッカーに関する知識やスキルはモチロン、心理学者的な資質、
アジテーターとしての資質、プレゼンターとしての資質など、求められる資質は
気が遠くなるほど広いものです。

 我々外野の者は、試合の結果だけ見て好きなことを言いますが、監督からして
見ると、じゃあ、オマエやってみろよ!と言いたくもなりますよね…(まあ、そ
んなことを言うヤツに監督の資格はありませんが…)