「気の使い方」がうまい人/山粼武也

 やたらと『やる気のスイッチ』に装丁が似ているのと、「山粼」なん
で、すっかり山粼拓巳さんの新刊本かと思って手に取って、読んでるう
ちに、なんかトーンが違うなあ、と思って作者をよく見たら別人でし
た…タイトルもありがちだと思って…でも出版社!、そういうのを狙っ
たんじゃないの?

 まあ、だからといって、内容が悪いわけではなくて、むしろ結構イタ
っと思わされることも多くて、いい本です。

 やっぱり人に支持される人って、相手のことをよく見てて、相手が
何を欲しているかということに注意を巡らしていて、ちゃんとそこに
手を伸ばすという側面もあるんですが、だからといって自分を殺して
いるわけではなく、ちゃんと主張すべきところは、相手が心象を害さ
ないよう細心の注意を払ってはいるんですが、ちゃんと相手に届くよ
うに主張しているということで、こういうふうに言えば、例え相手と
利害が対立することであっても、相手に届くといったことも書かれて
います。

 こんなに、いい内容なんだから、二番煎じみたいな装丁をするのは
却って作者の品位を汚す気がするんですけど…三笠書房さん!