走る哲学/為末大

走る哲学 (扶桑社新書)

走る哲学 (扶桑社新書)

 かつて侍ハードラーと呼ばれ、世界陸上の400mハードルで2大会
連続のメダルを獲得した為末さんの、Twitterでのつぶやきを集めた
本です。

 多分、編集時点で特定のテーマについてのツィートを集めてまと
めてはいるのでしょうけど、そうは思えないほど、それぞれのテー
マに一貫した思考の“柱”を感じます。

 まあ、ただやっぱりツィートを集めたものなんで、本全体を見て
みると、あまりにトピックが多岐にわたっており、全体でのテーマ
というのは捕らえにくいのですが、やっぱりスポーツについて語っ
た時の視点にはうならされるものがあります。

 昨今、体幹トレーニングがもてはやされていますが、敢えて体幹
を鍛えて獲得した体幹と、競技でのトレーニングの結果、獲得した
体幹と果たしてどちらが競技にとっていいものなのでしょう、と
おっしゃられています。

 また、モチベーションについて、そもそもモチベーションという
のは、“無邪気”なものであって、いろいろと理屈をつけてかき集
めた“モチベーション”が果たして、目標への推進力になるのか?
といったこととか…

 140字という制限抜きで、ある程度のテーマ設定をした、為末さん
のエッセイを読んでみたいな、と言う気にさせられました。