異端児たちの決断/小板橋太郎

 

異端児たちの決断 日立製作所 川村改革の2000日

異端児たちの決断 日立製作所 川村改革の2000日

 

 

 2日続けて勤務先が関連する本です。

 この本は、日経の企業関連の記者の方が書かれた日立製作所の製造業
史上最大の赤字からの回復ドキュメントです。

 この本の主役となるのが、昨年会長職を退任された川村さんなのです
が、関連会社に出られて、もうキャリアを終えようとしていた時に、火
中の栗を拾われて、見事立て直しをはかられたということなんですが、
この時に川村さんを支えた人たちも、一旦は日立本体を離れて主流とは
みなされていなかったのですが、外部から日立本体を見たからこそ、
思い切って大胆な改革ができたんだ、と評価をされています。

 確かに、日立って経営判断が遅くて鈍重な印象を持たれていることが
多いと思いますし、内部にいてもそう感じることが多いのですが、川村
さん在任時の5年半余りで、最早、家電メーカーとは言えないくらいの
ドラスティックな事業ポートフォリオの転換を成し遂げ、業績を回復
させた剛腕に感嘆します。

 まあ、そういう火事場のクソヂカラみたいなのも日立らしいといえば
日立らしいのですが、そういう一過性のモノではなく、革新的な社風に
なればいいなあ、と思います。