世界の[下半身]経済のカラクリ/門倉貴史

 

世界の下半身経済が儲かる理由―セックス産業から見える世界経済のカラクリ

世界の下半身経済が儲かる理由―セックス産業から見える世界経済のカラクリ

 

 

 門倉さんの風俗関連の著書ですが、おそらくどこかの出版社に求めら
れて、焼き直しも含めて書かれていることから、以前に読んだ内容とも
随分重複していますが、こちらの本はあんまり経済本としての色彩は
強くなくて、各国の風俗業界事情など、風俗業界のいろんな業態そのも
のについて扱われている感じです。

 ということで、克明にそれぞれの業態を紹介されているので、例えば
SM関連の業種の紹介で、女王様と奴隷のやり取りなんかも再現されて
いるのですが、自称ロールキャベツ男子(外見は草食だけど、一皮剥く
と、肉食という意味だそうで…)の門倉さんの描写は、間違いなく下世
話なシーンを描いていても、どこか分析的なニオイがするのはワタクシ
だけでしょうか…

 この本でも、セックス産業の合法化について取り扱われていますが、
どっちかというと西欧諸国、しかも経済が成熟した国で合法化が進んで
いることが多いようで、アメリカの禁酒法を引き合いに出されて、人間
の欲望を押さえつける法律は、結局はアンダーグラウンドに潜って、弱
者が泣くだけなので、国家の成熟につれ、合法化の方向に向かうとみら
れているようです。