蹴る群れ/木村元彦

 

蹴る群れ (集英社文庫)

蹴る群れ (集英社文庫)

 

 

 オシム元日本代表監督を始めとして、旧ユーゴスラビア
関連するサッカーの著書を多く手がけられている木村さんの
著書です。

 この本では、専門の旧ユーゴスラビアも含めて、逆境の中
でもひたむきにサッカーに取り組む人たちの姿を集めた本な
のですが、その“逆境”と言うのが、独裁者の圧政に苦しむ
人だったり、民族紛争の中、昨日までのチームメートと敵対
しなくてはいけない人や、差別の中、公式戦に望めない在日
朝鮮人だったり、競技を続けるために、定職につけずアルバ
イトで食いつなぎながらサッカーをつづけるかつてのなでし
こだったり、深刻さに差はあれど、恵まれない環境にも関わ
らず、というか、だからこそ深くサッカーに打ち込んでいく
姿が描かれます。

 まあ、好きなことに打ち込むんだから、という見方はでき
るのですが、サッカーに打ち込むということころに、それだ
けでは説明できないものを感じるのはワタクシだけでなんで
しょうか…