「就活」と日本社会―平等幻想を超えて (NHKブックス No.1227)
- 作者: 常見陽平
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/01/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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楠木さんの就活本で紹介されていたので、手に取ってみました。
どうやら著者の常見さんが修士論文として書かれたものがベー
スになっているということで、結構堅い学術的な本になっていて、
多少読みづらいところはありますが、興味深い内容です。
まず、いわゆる「就活」ということで、新卒一括採用という世
界でも例を見ない採用形式をとっている日本企業なんですが、主
に採用する側からの論理で、どういう功罪があるのかということ
にアプローチされています。
また、Job Descriptionというカタチで、職務内容を詳細に至る
まで明確に定義して、その職務への適性を元に採否を判断する欧
米、特にアメリカとは異なり、日本企業の採用基準のあいまいさ
がどういうところから来るのか、ということについても触れられ
ています。
その採用基準の中で、“学歴フィルター”という公然の秘密に
ついて触れられているのですが、どうしても情緒的な選考になっ
てしまう中で、応募者のせめてものシグナルということで、大企
業を中心に隠然とした影響力があるようです。
面白いのが、中小企業における“学歴フィルター”もあるよう
で、あんまりレベルの高い学生にウチに来られても…という“逆
フィルター”的に作用することもあるようです。
次年度から就活の期間が短くなるようで、就活生のみなさんも
ピリピリされるところもあるかと思いますが、こういった本を読
んで相手の手の内を垣間見るというのも、いいかもしれませんよ
…(笑)